加茂名小学校へ出前授業

今年度初の出前授業で加茂名小学校へ行ってきました。
今回の出前授業では6年生2クラスを対象に火おこしと勾玉づくりに挑戦してもらいました。

火おこし体験では舞鑽(まいぎり)と呼ばれる火おこし具をつかって挑戦してもらいました。
皆さん上手に舞鑽の火おこし具を回すことはできるのですが、なかなか火種をつくれず…
やっとこさ火種ができて、おがくずを入れた火皿に火種を移してもなかなか発火にまでは至らず、いつもとは異なる感じに学芸員も「????」でした。

最初のクラスの火おこし体験が終盤に差し掛かったころに気づいたのですが、前日の雨で地面にしっかり水分が吸収されたところに夏を思わせるような日差し。火種を受けるために火鑽臼(ひきりうす)の下に敷いていた紙がすっかり湿気ていました。おがくずも湿気を吸って発火しにくい状態になっていたのだと思われます。

2クラス目の挑戦ではなるべく地面からの湿気がない場所で挑戦してみましたが、それでもいつもの半分くらいしか発火にまで至りませんでした。

勾玉づくりでは大まかに勾玉の形にカットされた滑石(かっせき)と呼ばれる石を材料にして3種類の紙やすりで削って、磨いて勾玉に仕上げていきます。

考古資料館の勾玉づくりの出前授業では白っぽい滑石と薄ピンク色の滑石を持っていき、どちらか一つを選んでもらって勾玉をつくってもらっています。ここ2,3年は白っぽい滑石の方が人気なようです。その前は薄いピンク色の滑石の方が圧倒的に人気だったのですが、世代によって好みが変わってくるみたいです。
当館の白っぽい滑石はやや濃いめの緑の模様の入った滑石を選んでいます。削っている最中はほとんど目立ちませんが、磨いていくとその模様がくっきりはっきりしてきます。どんな模様だったのか友達と見せ合いながら勾玉づくりも盛り上がっていました。

今回の出前授業では火おこし体験が少し残念な結果になってしまいましたが、考古資料館では事前に申し込んでいただければ基本的にいつでも火おこし体験ができます(勾玉づくりも)。加茂名小学校の6年生の皆さん、考古資料館での火おこしリベンジいつでもお待ちしています。

考古資料館の出前授業に興味を持たれた方は考古資料館教育支援のご案内のページをご覧ください。

とくしま好古楽倶楽部を開催しました

今日は今年度初のとくしま好古楽倶楽部を開催しました。

本来なら5月に第1回目のとくしま好古楽倶楽部で火おこしに挑戦する予定だったのですが、新型コロナウイルス感染予防に伴う臨時休館になったため、第2回にあたる今回が今年度初1回目というややこしい感じになっています。

今回のとくしま好古楽倶楽部は鋳造で鏡をつくってみるという内容です。

はじめに古代の鏡について説明をおこなった後、

展示室で徳島市内の遺跡から出土した古墳時代の鏡をいろいろ観察してもらいました。

展示室で古墳時代を鏡を見学した後、研修室に戻って鏡づくりです。
今回は140℃程度で溶ける低融点合金を使って鏡をつくってみます。
合金が溶ける様子もしっかり観察。

加熱した合金が液状になったところで、鋳型に流し込みます。

鋳型から鏡を取り外したら、鏡面を研ぎます。

鏡面が均等に平らになるまで研いだ後は研磨剤を使ってひたすら磨きこみます。

磨き終われば完成です。
しっかり磨きこむとちゃんと鏡として使えるくらいピカピカになります。

今回のとくしま好古楽倶楽部でも大勢のボランティアさんに参加していただき円滑に進めることができました。

ご参加いただいた皆さん、ボランティアのみなさん、ありがとうございました。

遺跡と遺物に学ぶ考古学講座 第1回 阿波国分寺に学ぶ

5月29日に遺跡と遺物に学ぶ考古学講座の第1回目の「阿波国分寺に学ぶ」を開催しました。

遺跡と遺物に学ぶ考古学講座は、これまで考古資料館で毎年開催していた考古学入門講座が新型コロナウイルスの感染予防の観点から中止になったことをうけて企画された講座です。
昨年度の下半期から実験的に開催し、受講していただいた方からの意見を基に昨年度より若干形態を変えて開催しています。

昨年度の遺跡と遺物に学ぶ考古学講座では、国分寺建立の詔が出て創建された阿波国分寺と現在の阿波国分寺には途絶していた期間があるため両者は別ものという考えから阿波国分寺“跡”をテーマにして開催したのですが、その際に「阿波国分寺の庭園を見たかった」というご意見が多数寄せられたので、今年度第1回目のテーマとして阿波国分寺さんを選びました。

資料館内で全体説明をおこなってからいざ出発
移動の途中、創建当時の阿波国分寺の寺域の北限と推定されている場所で説明

阿波国分寺に到着して早速阿波国分寺の庭園へ。ご住職に阿波国分寺の庭園について説明をしていただきました。

阿波国分寺の庭園は安土桃山様式の庭園であるため、その時期に造園されたものと考えられていましたが、発掘調査の結果江戸時代の後期に大掛かりな改修がおこなわれていたことが分かったそうです。

ご住職の説明を聞きながら

ご住職からは庭園の世界観などについて様々なお話を聞かせていただきました。

最近改修が終わった本堂

ご住職によると庭園は午前中が見ごろとのことです。庭園を眺めながら一日過ごせるとのことです。
今度、いろんなカメラを持って、この庭園で1日過ごしてみたいと思います。

庭園の拝観は拝観料300円が必要になります。

開館のお知らせ

5月22日(土)午前9時30分より、通常通り開館いたします。

開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)

長らくご不便をおかけしました。研修室利用・講座関連も予定通りおこないますので、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

電話番号:088-637-2526

レキシ・フォト・トクシマ 第1回 参加者募集中です

昨年好評をいただきました実験的企画、レキシ・フォト・トクシマを今年度も開催することになりました。
レキシ・フォト・トクシマは写真を通して徳島市内の歴史的魅力をみんなで発信していこうという目的で、考古資料館による解説にプロカメラマンの先生による撮影指導を加えた写真撮影会を考えていただければと思っています。
昨年は徳島市内の遺跡に足を運び、そこで写真を撮ってみるという内容で進めてきましたが、今年度の第1回は6月20日(日)の午前10時から正午までの予定で考古資料館で考古資料館所蔵の土器を撮ってみるという企画で計画しています。

講師は上野照文先生です。

第1回の写真撮影の講師の先生は上野照文先生です。
上野先生は徳島県美術家協会理事で写真部会長を務められる傍ら徳島ヴォルティス公式カメラマンとしてご活躍されています。
昨年度は万年山墓所での撮影でご指導いただきました。
一眼レフカメラでの撮影に加えてスマートフォンでの撮影の方法についても丁寧に教えていただきました。また、この際にとても印象的な万年山墓所の写真も撮られており、考古資料館スタッフ全員が感動しました。
レキシ・フォト・トクシマは徳島市にゆかりのある文化財の写真撮影会ではありますが、高性能なカメラでないと参加できないわけではありません。普段使っているカメラで十分ですし、昨年度の参加者の半数はスマートフォンのカメラで参加されています。
フィルムカメラでの参加でも構いませんが、先生のご指導を受けやすいよう、その場で撮った画像が確認できるデジタルカメラでの参加をお勧めします。

5月15日より参加者の募集を開始しています。
考古資料館事務室へお電話にてお申し込みください。
電話:088-637-2526
臨時休館が解除された後は考古資料館事務室へ直接申し込みも可能になります。
イベントの詳細については考古資料館レキシ・フォト・トクシマのページをご覧ください。

臨時休館延長のお知らせ

徳島市立考古資料館の臨終休館を5月21日(金)まで延長いたします。

ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

休館中でも電話対応はおこなっております。とくしま好古楽倶楽部(第2回)遺跡と遺物に学ぶ考古学講座(第1回)の申し込みは受け付けておりますので、ご希望の方はご連絡ください。

※5月17日(月)は通常の休館日です。電話対応もお休みします。

5月になりました

4月があっという間に通り過ぎ、風薫る5月を迎えました。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い臨時休館している徳島市立考古資料館は昨年と同じく静かな大型連休を迎えています。

ただ、臨時休館といっても職員は休みではなく、通常通りの勤務シフトでお客さんの来ない資料館であれこれやっています。

そういうわけで、5月1日より募集を開始しするイベントのご案内です。

とくしま好古楽倶楽部 第2回 鋳造を体験してみよう
 約140℃で溶ける低融点合金を材料に古代の鏡のミニチュアをつくります。鏡面はしっかり磨くと実際に鏡のようにピカピカになります。  
対象は小学生以上の方で定員は20名です。

遺跡と遺物に学ぶ考古学講座 第1回 阿波国分寺
 昨年度実施した阿波国分寺跡の回で要望が多かったことから、今回は阿波国分寺さんのご協力をいただき、庭園を拝観します。修復された本堂と一緒に安土桃山様式の庭園について学びます。
対象は中学生以上の方で定員は20名です。

どちらも先着順になります。

現在臨時休館中のため、電話のみの受付になっております。
電話番号:088-637-2526

申し込みお待ちしております。

臨時休館のお知らせ

新型コロナウイルス感染拡大防止を図るため、徳島市立考古資料館は4月29日(木・祝)~5月9日(日)まで臨時休館いたします。期間中のイベントもすべて中止となります。

ご利用の皆さまにはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

現地説明会に行ってきました

今日は徳島県埋蔵文化財センターさんは発掘を行っている南蔵本遺跡の現地説明会に行ってきました。
徳島県立中央病院の南側にER棟を建設するということで、それに伴う発掘調査です。「ER棟ができたらグリーン先生やベントン先生が来るのかな」とありもしない事を考えながら発掘調査現場に行きました。

今回の発掘調査で注目されるのは弥生時代前期前葉の畑の跡が見つかったことです。
水路に対して直角の向きに畝が並んでいますが、畝と畝の間の低いところに水路から水を引いていたと考えられています。

「畝、低いなぁ」と思いますが、畑が埋没した後の土圧で畝が圧縮された結果なんだそうです。水害で畑が流されたというよりは水没したというのが正しいようで、畑が耕されてそれほど間もないうちに埋没したようで、当時の畑の姿をそのまま残しているそうです。
この畑で何が栽培されていたのかはまだわからないそうです。今後畑跡の土を水で洗って栽培植物の種子やプラントオパールの検出を試みるようで、結果が楽しみですね。